親子留学

【カナダ親子留学】18年前の子供の記憶

変わりゆく思い出

※ 英語学習から少し離れたエピソードです。

 

息子が幼少期に

カナダのカルガリーに住んでいましたが、

先日、

現在バンクーバーにいる息子から聞かれました。

「昔カナダに住んでいた時の住所を教えて」

 

息子が今年の夏に

バンクーバーからルガリーに旅行に行く、

と聞いていたので、

昔住んでいた場所を見て回るのかな?と思い、

家の住所やよく遊んでいたレジャーセンター、

スケートリンク、

当時仲のよかった友達の家を教えました。

 

暫くすると、

「カルガリーの次に住んでいた場所を教えて」

と聞いてきたのです。

一度も引っ越したことはないので

そう伝えると、

「モントリオールはなんやったん?」

と聞いてきたので、

モントリオールに住んでいた記憶があるようでした。

 

カルガリーに住んでいる間、

あちこちカナダ国内を旅行した街のひとつに、

モントリオールがあります。

エドモントンやケベック、バンフ等、

どこもそれなりの思い出があるはずなのに、

なぜモントリオールなのか。

 

「モントリオールには旅行だけで

住んだことはないよ。」

「じゃあ、スクランブルエッグを作ってくれたお兄さんは誰なん?」

 

と聞かれ、

泊まっていたB&Bで朝ごはんを作ってくれた

若い男性のことを聞いているのだとわかりました。

そのモントリオールのB&Bは本当に居心地がよく、

何日も滞在しました。

 

朝ごはんは皆で食べたのですが、

私も他の滞在客と

話が弾んだことを覚えています。

食べながら話をしている間、

息子を放置したかもしれません。。。

その間や朝ごはんを運んでくれた

スクランブルエッグのお兄さんは、

子供の扱いが上手であったことも覚えています。

 

息子とじゃれ合い、笑いあって、

毎日飽きずに相手をしてくれたので、

息子にとっては

楽しかった思い出のトップに入るのだと、

今頃気づきました。

 

大人が他人と話をしている間って

子供には退屈でつまらなく感じる時間ですよね。

 

カナディアンロッキーのハイキングや、

キャンプ、カルガリーのほうが

思い出としてはっきり残っているのは

親の私のほうで、

息子はそうでもなかったのかな。

 

楽しかった旅の思い出は、

いつの間にか住んでいた場所の記憶と重なって

カルガリーのデイケアのお兄さんと

思い違いをしたのか、

カルガリーで一緒に住んでいた

ルームメイトの男性と間違えたのか、

そんな風に変わっていったのだと思います。

 

当然ではあるのですが、

親子で同じ思い出を共有しても

親と子でそれぞれ記憶は違う形で残るのだなと

興味深いです。

息子はもちろん全てを覚えていないので、

自分の記憶として覚えているのではなく、

日本へ帰国後に写真を見たり話をすることで、

頭のなかにすり込まれていったのかもしれません。

 

息子は当時5-6歳でしたが、

私自身が子供の頃を振り返ると、

そのころの記憶は断片的です。

息子より覚えていない気もしてきました。

「旅の記憶はいつか忘れる」

私の母の言葉です。

私がまだ20代の頃、

旅行好きだった母と話をしている時に

彼女が言っていました。

 

当時の私はそんなことはない、

たくさん旅をして、

色々経験したい、

子供を連れて海外も行ってみたい、

と返事をした記憶があります。

 

それでも母は、

「旅行より子供が大事だと思うわ」

と言っていました。

幼い子を連れて留学することを反対されたわけではなく、

言い合いになったわけでもないけれど、

私自身は、

「これからどんどん旅行もするし、

私が子供も守れる!」

と少し反論していました。

 

「でもね、旅の記憶って薄れるしいつか忘れちゃうのよ。」

その言葉はずっと私の心の中に残っていました。

 

あれから私は、

赤ちゃんだった息子を連れて旅行を始め、

息子が中学生になるまでずっと一緒に旅をしてきました。

その後はほぼ一人旅ですが、

そして20年たった今ようやく母の言葉がわかるようになりました。

確かに私、昔の旅行のことを忘れていると。

 

数年前からそれに気づき、

旅日記を手書きでつけるようになりましたが、

それでも記憶は確実に薄れていく一方。

 

旅に対する考え方や、

旅の楽しみ方も変わってきました。

息子も色々考えて旅しているのかな?

 

昨日のイディオムを思い出しました。

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